「静かさ」が快適な住まいの基本条件に

都市化が進むにつれて、居住性の条件に通風・採光などと並んで「静かさ」が要求されるようになりました。
それも単に外部の音を中に入れないというだけでなく、自分の部屋の音を外にもらさず、他人に迷惑をかけないような対策が必要になります。

騒音とは何か

大きな音がすべて騒音になるわけではありません。
小さな音でも騒音になることがあります。
ある人にとって心地良い音が他の人にとっては「騒音」になることもあります。
ステレオやピアノの音も、ある人にとっては心地よい振動ですが、別の人にとっては、「騒音」になります。
自分の出す音が他の人には騒音になりうるという自覚が必要です。

近隣騒音を未然に防ぐには

まずは何よりも人間関係を良好に保つことが必要です。
集合住宅などでは、音についてのルール作りを積極的に進めていくことも必要です。
また、社会的な配慮とともに物理的な配慮も必要になってきます。
外部に音が伝わりにくい、音への配慮をした設計・施工が求められます。

家の中に侵入する音のルート

音には空気を伝わって耳に届く空気音と、地面や床・壁などを伝わって響いてくる固体音などがあります。
空気音はジェット機・自動車や楽器の音、人の話し声など。
固体音は2階の足音やトイレの排水音などです。

防音の目安

一般的に昼間の住宅街では40~50dB(デシベル)の騒音があります(暗騒音)。
この時に家の外へ出る楽器の音がこの騒音と同じレベルになれば家の外に出た楽器の音はその騒音に紛れてしまいます。

例えば、ピアノの音を約90dB、暗騒音を約40dBとすると50dB程度の防音が必要です。
一般的な建物の壁は15dB前後の遮音性能がありますので、実質的には残り35dBをどう対策するかです。

音を防ぐには

楽器の音に限らず、あらゆる音は空気音と固体音が混合して伝わっていきますので防音をする場合、空気音のみ遮音しても、防音の効果は上がりません。
固体音は、壁などの音を伝えている固体と接触しない(縁を切る)ようにしないと、その振動を止めることが出来ません。

空気音を防ぐには

  • 防音材はより重く、より厚くする
  • 壁を多重構造にする
  • ドアや窓のすき間をなくす

固体音を防ぐには

  • 家の構造を強固にする
  • 床にクッションを敷く
  • 浮床で振動をシャットアウト
ヤマハ防音室(アビテックス)の特長

ヤマハの防音室「アビテックス」は部屋の中に部屋を作る「二重構造」になっており、空気音はもとより、既存の住宅の壁や天井との間に空気層をとることにより、固体音も外に伝えにくい構造になっています。
また建物の床との接触面をゴム素材を使い振動を軽減する「浮床構造」になっています。
ドアやサッシも重量を重くし、ゴムパッキンにより極力すき間をなくした独自の防音ドア・防音サッシを使っています。
また、ヤマハが楽器メーカーとしての豊富な経験からお使いの楽器に最適な音場(音の響き)をご提案できます。

防音ってなんだろう?

おススメできない防音対策

音場(おんじょう)の話

~音を美しく響かせるために~

どんな部屋にも、それぞれ固有の音響特性があります。それを「音場(おんじょう)」と言います。
部屋の形や素材などによって音の反射や吸収の度合いがちがい、音の響き方も大きく変わってきます。
部屋の中でポンと手を叩いて、その音が大きくはね返ってくるようなら「ライブ」、沈みこんでしまうようなら「デッド」ということになります。
四方をタイルなどで囲んだ小空間では、音は減衰せずやたらに往復反射し、ワンワンと歪んだ響きを作り出してしまいます。一方、カーテンやジュータンなどは音を吸収し、部屋をデッドにする要素です。
しかし吸音材などを貼りつめた「無響室」のような特殊な部屋になると、ピアノの音もボソボソと、タイプライターを叩くような味気ないものになってしまいます。工務店の音を止めるだけの防音工事では起こりがちな現象です。音場設計とはこのライブとデッドのバランスをいかに理想的に保つかの技術です。
快適な音場とは、音の反響効果と吸音効果が絶妙なバランスを保ち、人の声や楽器の音が適度な残響を伴いながら、歪みのない美しく自然な状態で伝わる空間を指しています。

音場改善の一例

防音ドアと防音サッシのはなし

ドアとサッシは防音室の要です。

防音室に入るためにはドアが必要です。採光や空気の入れ替えのために窓も必要です。
このような出入り口や開閉する場所を「開口部(かいこうぶ)」と呼びます。この「開口部」からの音漏れがひどいといくら頑丈な壁を作っても全体の遮音性能が下がります。
防音室には「防音ドア」や「防音サッシ」を使いますが、このドアとサッシの性能が防音室全体の遮音性能に大きく影響します。

防音ドア

遮音に必要なことは重い材料や密閉性の高い材料で音を漏らさないようにすることです。
音の侵入経路は主に空気中を伝わる「空気音(空気伝播音)」と建物の振動などによって伝わる「固体音(固体伝播音)」がありますが、防音ドアは空気音への遮音効果を果たします。
ドアの遮音性能が低かったり、求める遮音性能が高い場合には2組のドアを使って2重ドアにすることもあります。

ヤマハの防音ドアが選ばれる理由

業界初の”ヤマハ振動カットシステム”(特許)を採用した高遮音木製防音ドア

ドアの室内側と室外側の表面材の間を、特殊な部材を使用することにより、振動による音の伝わりを抑えた”ヤマハ振動カットシステム”(特許)によって、ドア1枚での高性能を実現しました。
ピアノの音もひそひそ声程度に抑え、木製でありながらも”音響透過損失”で測定してDr-35相当の遮音等級であり、特に高音のカットに優れた特長を有しています。
一般建材メーカーのようなデザインの多様性はありませんが、楽器製造メーカーとして遮音性能を優先しております。
また、軽量化によりコストを抑え、低価格を実現しました。業界での評判も高く、防音ドアだけヤマハ製を選ばれる方が多数いらっしゃいます。

定価220,000円(税抜) より (取付工事費等別途)

防音サッシ

通常のサッシは、窓を開けやすいように、意外に多くのすき間があります。
このサッシのすき間を縫うように音が入り込んできますが、防音サッシはパッキンなどで、このすき間を極限まで埋めてあります。
ヤマハの防音サッシもすき間をなくす独自の機構で優れた遮音効果を発揮し、高い評価を受けております。
防音サッシは単体での性能に加え、元々のお部屋のサッシの内側に設置する「2重サッシ」の形にすることで効果が上がります。
工務店で防音工事を依頼すると、よく「ペアガラス」と呼ばれる複層ガラスが提案されま
すが、結露や寒さといった断熱対策には良いのですが、防音(遮音)対策としては効果は
期待できません。

※防音サッシを2組設置すると防音ドアと同等(約Dr35)の遮音性能になります。

一般の防音工事(在来防音)のリスク

生活音の防音には良くても楽器には不十分な場合が多い

楽器防音専用の設計仕様でない

効果を事前に予測できないので追加費用が必要な場合も

楽器用に作られたヤマハの防音室

マンションにも設置可能な重量

どんな楽器にも適用できる

効果の予測ができるので費用対効果が高い

よくあるご質問

エアコンの取付けはできますか?
通常のお部屋と同様に可能です。配管経路も事前に確認致します。
マンションに設置できますか?
もちろん大丈夫です。重量も基準内に収まるように荷重計算を行なっております。火災報知器等の設備についても事前に確認し、適切に対応致します。
賃貸住宅でも工事可能ですか?
定型タイプでも自由設計タイプでも、基本的にお部屋を傷付けずに設置工事が可能です。あとは貸主さんの承認があれば大丈夫です。
引越の際には防音室も移動できますか?
定型タイプ(ヤマハセフィーネNS)の防音室でしたら解体・組み立てが簡単ですので移動できます。また全国にヤマハの施工店がありますので、遠方でも可能です。
自由設計タイプはお部屋に合わせて設計するタイプですので基本的に難しいのですが、対応可能な場合もあります。一度ご相談ください。
クローゼットなどの収納は使えますか?
自由設計タイプならクローゼットを一度解体して、防音室の中にクローゼットを作ることもできますし、広いお部屋ですと部屋の半分だけ防音室にしてクローゼットや押し入れをそのまま使うこともできます。
可愛い壁紙やおしゃれな照明を取り付けることはできますか?
おまかせください。弊社KJタイプであれば、どのようなご要望にもお答えできます。